【サラリーマン向け】早期リタイアに向けた投資戦略まとめ【インデックス投資がおすすめ】
前回の記事では早期リタイアに必要な具体的な金額を試算し、50才早期リタイアを実現するための貯蓄ペースが約400万円/年であることが判明。これが年利回り5%で投資することができれば、約240万円/年まで引き下げられることをご紹介した。本記事では、この利回りを達成するための資産運用方法についてご紹介したい。もし、これからおすすめするインデックス投資を始めてみようと思って頂けた方は、楽天証券などのネット証券口座の開設から始めてみて頂けると幸いです。
注意点として、ここに記載している内容は更新日時点での情報であることを留意頂き、投資は自己責任でお願いいたします。また、間違いがあればご指摘頂けると幸いです。
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更新日:2021/06/05
資産運用・投資手法 比較まとめ
筆者の具体的な投資戦略をご紹介する前に、巷でおすすめされている投資手法のメリット・デメリットについて簡単にご紹介する。
個別株投資(短期トレード)
1日~数週間の短期での株式売買で利益を上げる手法。サラリーマンが簡単に手を出して良いモノではない、いわゆるギャンブル(だと筆者は思っている)。サラリーマンが早期リタイアを目指す手法としては不適切。
FX投資 (Foreign Exchange=外国為替)
外国通貨と日本円の為替変動を利用して、外国通貨を安く買って高く売ることで利益を上げる手法。最近話題の仮想通貨取引が流行する前に、流行っていた投資手法。こちらも投資とは名ばかりのギャンブル。スワップ金利を活用すれば安定した利益が出せます、という触れこみをよく見ますが、金利差以上の為替差損を出したら意味がありません。以上から、サラリーマンが早期リタイアを目指す手法としては不適切。
高配当株投資
先述の個別株投資が株式売買(安く買って高く売ること)で利益を上げる手法であるのに対して、株式保有による配当金から利益を上げる手法。株式を長期保有して継続的な配当金を得ることが基本戦略。早期リタイアとは比較的親和性の高い投資手法であり、一部のブログやYouTubeではおすすめされている。しかし、配当金受取時に税金が掛かってしまうことがネックで筆者はおすすめできない。また、個別株であることに変わりないので、配当金が高い株式の中でどの銘柄を選べば良いか、日々の勉強や値動きのチェックが必要であり、忙しいサラリーマンには不向き。
筆者の場合は、インデックス投資をメインとしつつ、サブとしてこの手法を活用できないか模索しているところ。このとき実践練習におすすめなのが、一株から株式を購入できるSBIネオモバ証券。Tポイントの現金化にも活用できるので、興味のある方は口座開設・Tポイント連携してみて下さい。(残念ながら2021/02/14現在、ポイントサイトの掲載はありません。)
不動産投資
マンションや戸建てを購入して人に貸し出し、賃料収入から利益を上げる手法。「サラリーマン 投資」で検索すると、山のように解説記事が出てくるので、気になっている方も多いはず。しかし、ワンルームマンション投資のような一見手軽な不動産投資は、斡旋企業/管理会社のピンハネ具合をこちらが把握しづらい構造になっているため、非常に危険。他にも不動産投資をおすすめしない理由は多数あるが、ここでは割愛する。また、賃料収入だけでリタイアした方のブログを読んでいると、そういった業者を介さずに取引をされている方がほとんどで、忙しいサラリーマンには不向き。
インデックス投資 ★筆者のおすすめ★
日経平均株価やS&P500といった指標(インデックス)に連動するような値動きをとる投資信託やETFの売買(安く買って高く売る)で利益を上げる手法。5〜10年のスパンで見れば世界は経済成長し続けるという前提の元、原則購入した投資信託は老後までホールドし続ける事が基本戦略となる。早期リタイアを目指すサラリーマンと非常に親和性の高い投資手法であり、多くのブログやYouTubeでおすすめされている。最近では、中田敦彦のYouTube大学でも紹介され、知名度が上がってきている。筆者もインデックス投資をおすすめしたい。その理由は以下の5点。
・リスク分散が容易に実現できる
→投資で一番怖いのは株価(債券価格)の暴落。それをカバーするためにはなるべく多くの銘柄に投資しリスク分散する必要がある。とは言っても10個も20個も銘柄を手動で購入するのは手間。そこで、インデックス指数(つまり複数銘柄の価値の平均)に連動した投資信託を購入することが最適解となる。
・手間が少ない
→どのインデックス投資信託に積み立てるか?については始めにしっかり勉強する必要があるが、基本的に購入は月一回自動で積み立てる設定にしておくので日常的な作業は不要。筆者の場合、年一回のリバランス作業以外は何もしていない。この年一回のリバランス作業もPCでポチポチするだけなのでほとんど手間はないと言える。
【参考URL】計算ゼロでリバランスできるエクセルのツールを作ってみた
・少額から始められる
→個別株や不動産投資が数万円~100万円単位からのスタートであるのに対して、投資信託であれば、100円から購入することが可能。投資初心者にとっては、リスクを抑えつつチャレンジしやすい環境が整っていることがメリットである。
・税制優遇制度と相性が良い
→国は、投資で得た利益に対する非課税制度として確定拠出年金(iDeco)やNISAを用意している。インデックス投資信託はこれらを活用できるのが大きなメリットである。
・手数料が安い
→あらゆる投資商品は、人が動いている以上手数料が発生してしまうが、手数料はリスク・ゼロで発生するマイナスのリターン。確実に運用パフォーマンスを悪化させる原因となる。インデックス投資信託は保有額の0.1~0.5%/年程度と期待する運用利回り3~5%に対して小さく抑えることができる。
インデックス投資の手順まとめ
それでは筆者が数年前から実践しているインデックス投資手法についてご紹介する。最近の株高を受けて、2021/02/07時点の年利回り実績は約7% (積立元本の120%程度の金額)となっている。
想定利回りを決める
一般的に、株式はハイリスクハイリターン(利回り7~10%/年)、不動産はミドルリスクミドルリターン(利回り5~10%/年)、債権はローリスクローリターン(利回り2~3%/年)と言われている。筆者は、保守的なので、これらのアセット(資産区分)のバランスを調整し、過去実績から年利回り3〜5%となることを目指した。
このとき、想定利回りを調べるのにおすすめなのがmyINDEXというサイト。過去実績を見やすく表示してくれるので、上手く活用したい。
[参考URL]『myINDEX 資産配分ツール』
アセットバランスを決める
筆者が投資しているアセットバランスは以下の通り。
まず、債券:株式は半々に。好景気→債券、不景気→株式の方がリターンは大きくなるかもしれないが、読めないので半々とした。また、日本:海外=4:6に。消費される価値には輸入に依存する部分が多いため、海外の比率を高めに設定した。最後に、日本債券に関しては、年金や預金など、日本債券と同じアセットとなる資産があることを考慮して10%と低く設定した。
積立頻度を決める
インデックス投資を推奨するブログを見たことがある方には耳にタコかと思いますが、ドルコスト平均法(毎月定額)で積み立てることにした。”定額”にすることで安いときに口数を多く買える(高いときには口数を少なく買える)ので、平均取得単価を下げる効果が期待できる。
積立頻度は月一回に設定。毎日、毎週など頻度を変えたときに、利回りがどう変化するかシミュレーションしたが積立開始時期の影響の方が大きく、特に変わらなかった。そこまで気にする必要は無いと考える。
これまでに貯蓄してきたまとまった資金については、経済合理性から言えば一括投資が最善策。しかし、投資した直後に暴落が起きたときの精神的ダメージを考慮して、値動きの山と谷がおおよそ一周する5年(60ヶ月)に分散して積立資金にプラスする事にした。
メンテナンスする
リスクとリターンを決めるのはアセットバランスなので、リバランスは非常に重要。筆者の場合、頻度は年一回、もしくは乖離率が5%を超えたタイミングで行うことに決めている。リバランスは、やり過ぎるとリターンが小さくなってしまうので、年一回程度がちょうど良い塩梅ではないかと考えている。リバランスの計算は、以下のURLで公開されているExcelを自分なりに修正して活用している。
[参考URL] 計算ゼロでリバランスできるエクセルのツールを作ってみた
出口戦略
前回の記事でも言及したが、インデックス投資で増やした資金を老後どのように取り崩すのかは悩みどころ。経済合理性から言えば、数ヶ月~数年以内に使う分以外は全て投資し続けることが正解。しかし、定期的な給与収入が無くなったときに、株価暴落に耐えるだけの精神力があるか自信が無い。そこで、今のところは半分投資半分現金で保有し、年一回この比率でリバランスするようにしていこうと考えている。
最後までお読み頂きありがとうございました。
以上。
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